一生ものの「福」

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朝の通勤電車の中で、同僚とおぼしき20代くらいの女子2人が“我が家のお正月”話をしていた。

年越し蕎麦を食べるのに2時間近く並んだとか、初日の出がきれいだったとか、聞くともなしに耳に飛び込んでくる。そんな中で「福袋イベント」なるワードに興味をひかれ、失礼ながら話を聞かせていただいた。彼女の家では毎年、家族4人で楽しむゲーム感覚のイベントとなっているらしい。

・予算を決め、年末のうちに家族内でクジを引いて、誰のための福袋を買うか決める(彼女の今年の担当は弟)
・イベント当日(今年は2日)の早朝に皆で出発し、それぞれ目当ての福袋がある店舗に行き列に並ぶ
・購入後は銀座のライオン像の前に集合
・食事をしながら福袋交換

ちなみに彼女は母親から、ナチュラルコスメブランドの福袋をもらったそうだ。楽しそうなイベントである。ふだんから仲の良い家族なのであろう、と思っていると。
「みんなそれぞれ仕事で忙しくて、一緒にごはんを食べることは殆どないし、顔さえも合わせることあんまりないから、正月くらいは、って親父が3年前に提案して始まったんだー。最初はマジ?!めんどー、って思ったけど、家族で盛り上がって結構楽しい」

家族の誰かのために福袋を選び、並んで、みんなで楽しい時間を共有する。オトクなモノをゲットする喜びは来年の福袋に上書きされてしまうかもしれないが、誰かを思う・誰かに思われる時間の幸福な記憶は、一生ものの価値があるに違いない。「福」がダブルのステキなアイディアだ。

170105_2銀座のライオンといえば、老舗デパートが来年の初売りを4日からにすることを検討するらしい。「三が日に休めれば、地方出身の従業員は正月に帰省することができ」、「最高の状態で働いていれば、最高のおもてなしができる」と社長は語っている。

三が日は多くの人出が見込めるビジネスチャンスであることには違いない。しかし、利潤を追求するだけのサプライヤーロジックから、社員の視点、消費者の視点に転換することで、新しい価値、新しい「福」のカタチが生まれる可能性が出てくるだろう。

東京の福袋は買いたくても買えない、と三が日は帰省する友人が言っていた。売出し日がどこも一緒だと狙う福袋を1つに絞り込まなければならない、お正月は色々と忙しいので仕事が始まってから仕事帰りに福袋が買えたら、という声も聞いた。4日以降に、こんな声に応える「福」の初売りがあってもいいかもしれない。

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